フライトスクールの選び方 費用編 その3(拠点空港)
前回までのまとめは、
認定校のPart141の訓練校で自家用から計器飛行、事業用の訓練を一貫して行える機体でC172かPA28(チェロキー)を使用し、レンタル費用に燃料費、オイル費、保険料などが全て含まれて相場の値段であることが絶対条件。
でした。
前回のブログはこちらから → フライトスクールの選び方 費用編その2
今回は前回お伝えした通り、
1時間の飛行訓練にあたり2時間分のレンタル費用を支払う必要があるカラクリ
について今回は書いていこうと思います。
そもそも飛行訓練とは?
漠然と飛行訓練と言ってはいますが、実際はどう言ったものかご存知ですか?
アメリカ免許にしても、日本免許にしても学科試験と実地試験に合格することで免許を取得することができます。ただし誰でも受験可能ということではなく、受験資格を満たしている人のみが受験可能なんです。
受験資格??
ここではFAAのプライベートについて簡潔に書いてみます。
そのほかの免許の受験資格や詳細については、パイロット免許取得方法のページに載せてますので下記リンクをご参照ください。
FAAプライベート 受験資格
- 年齢が17歳以上
- 英語が読めて、書けて、話せて、理解できること
- ログブックにインストラクターからサインをもらっていること
- 試験日から遡ること2年以内に筆記試験に合格していること
- 適切な飛行経験があること
ここで問題になってくるのが最後の適切な飛行経験があることと、ログブックにインストラクターからサインをもらっていることです。
簡単に言うと一人で安全に離着陸ができ、目的地の空港まで安全に飛行することができるようになるとインストラクターは受験許可のサインをします。
つまりは飛行訓練とはインストラクターから受験許可のサインをもらうために行なうものなんです。
飛行訓練の内容
それでは飛行訓練の中身について書いていこうと思います。
受験するために必要な知識と技術は連邦航空法61条105項107項109項110項に記載されています。
例を挙げると、離着陸の訓練、操縦技術向上の訓練、野外航法の訓練、単独飛行訓練などです。
さてここからが今回の本題です。
受験資格、飛行訓練内容はなんとなく理解いただいたと思います。
しかし1時間の飛行訓練に2時間のレンタル費用のカラクリを理解されている方はまだ少ないと思います。
1時間の飛行訓練にあたり2時間分のレンタル費用を支払う必要があるカラクリ
前回お話しした通り、機体のレンタル費用はエンジンをスタートしてから止めるまで発生します。
1時間いくらの世界です。(正確には0.1時間単位 6分単位です)
ではここで想像してみてください。
あなたは今とある訓練校で個人用の訓練を行なっています。今日の課題は旋回や上昇、下降などの基礎的な操縦を安定して行えるようになることです。
エンジンをスタートさせ、機体の計器やエンジン、操作性に問題が無いか確認し問題がありませんでした。管制官に無線で交信して駐機場から滑走路へ移動したいとリクエストをかけました。
いつもですと忙しいので5分は待たされますが、この日はラッキーなことにすぐに滑走路へ向かう許可が出てスムーズに滑走路に指示された道順で向かいます。
間も無く滑走路に到着するところまで来ました、滑走路ではいつものように離陸する機体が3機待っています。無線を聞いていると着陸する為に向かってきている機体も数機あるみたいです。
離陸待ちの機体の列の最後尾に並び、離陸の準備ができていることを管制官に伝えます。
数分後、ようやく自分が離陸する順番が来て離陸の許可が出ました。離陸をしていつものように訓練空域に向かいます。訓練空域まではおよそ15分飛行します。
いよいよ訓練空域に到着して、基礎的な操縦を安定して行なうための訓練をはじめました。1時間ほど訓練をして教官も自分も納得できるレベルになったので空港に戻ることなりました。
15分ほど飛行して空港に戻り、管制官の許可を得て着陸し駐機場に戻りエンジンを止めて時間を計測し今日の訓練は終わりです。
さて、今回の飛行訓練は1時間みっちり基礎的な操縦技術の向上に費やしました。果たしてエンジンは何時間回っていたでしょうか?
エンジンスタートから管制官に許可を得るまでにおそらく15分、駐機場から滑走路に移動し離陸するまでに20分、訓練空域まで行くのに15分、飛行訓練に60分、訓練空域から空港に戻るまでに15分、着陸してから駐機場に移動しエンジンを切るまでに10分。
トータルでは、
15分+20分+15分+60分+15分+10分=135分 2時間15分
今回の飛行訓練の目的は基礎的な操縦技術の向上でした。そのレベルの訓練生に無線交信や管制官の指示の理解と遂行などは難しいと思います。おそらく教官が大部分を担当するでしょう。
これが1時間の飛行訓練の為に2時間分のレンタル費用を支払うカラクリです。
このカラクリは全ての空港、訓練校はに当てはまりますか?
答えはノーです。
このカラクリが当てはまるのは、管制塔が管理している忙しい空港で、訓練空域が空港より離れている場合にのみです。
飛行訓練時間とレンタル時間の差を小さくしたい場合はどうしたらいいか??
管制塔が管理していない空港で忙しくなく、訓練空域が近くにある空港で訓練を行うことです。
アメリカでは無管制空港はクラスG空港と呼ばれ数多く存在します。ジープラスフライトスクールが提携しているクリスタルエアログループの拠点空港のクリスタルリバー空港もそのうちの一つです。
更にクリスタルリバー空港は離陸後5分で訓練空域です。
ジープラスフライトスクールの訓練生が教官から受験許可のサインをもらうまでの平均的な飛行時間は44時間前後です。ソロまでに60時間や免許取得まで100時間といった訓練校もあります。ジープラスフライトスクールの訓練生はよその訓練校よりも遥かに短い時間で免許を取得しています。
訓練生自身が優秀であったことは間違いありませんが、同じ技術を習得するにあたって実際の飛行訓練時間とエンジンを回している時間の差が少なく、効果的な訓練を行なっていることも重要な要素です。
今回までのまとめ
認定校のPart141の訓練校で自家用から計器飛行、事業用の訓練を一貫して行える機体でC172かPA28(チェロキー)を使用し、レンタル費用に燃料費、オイル費、保険料などが全て含まれて相場の値段であることが絶対条件で、
訓練空港は無管制空港で忙しくなく、訓練空域がすぐ近くにある空港を使用している訓練校を選びましょう。
次回はインストラクターについて書いてみようと思います。
次のブログは
フライトスクールの選び方 費用編 その4(インストラクター)
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